『バルバロスのサンバ・ヂ・エンヘード』

Sambas de Enredo

バルバロスでは、浅草サンバカーニバルに向けて毎年新しいテーマ曲を製作しています。例年5月のエンコントロ・ヂ・アルモニアで初めてその曲を披露し、それから一年間、愛と誇りを持って歌い続けます。

エンヘードはその時代その時代のバルバロスを反映する鏡であり、メンバー全員の共通言語です。楽器演奏やダンスなど、サンバには幅広くいろいろな魅力がありますが、エンヘードは、バルバロスの青と白のチーム旗のもと皆の心が一つになる唯一の歌であり、そしてそれはかけがえのない瞬間なのです。

2000年以降エンヘードCDが発売されていますが、CDでの作品創りにおいては耳でしか聞けない為、その音源に最大限の表現力が用いられます。効果を使ったり、逆に聴きやすくシンプルにしたりと試行錯誤を繰り返し、そこに沢山の言葉無きメッセージを盛り込んで、長い時間をかけてやっと完成します。

我々バルバロスは、サンバパレードを目的とするエスコーラです。パレードでは、聴覚にプラスして視覚も入ってきます。夏のカーニバルのそのときに、最後のスパイスである「観る」という素晴らしいパフォーマンスが溶け込むことによって、初めてエンヘードが完成します。そう、皆で作り上げたパレードこそ最高の歌──サンバ・ヂ・エンヘードなのです。

2010年 晩秋
安達正芳
2003~2010 Diretor da Bateria